薩摩半島の最南端に位置する鹿児島県揖宿郡山川町は、日本百名山の一つでもある火山、その見事な円錐形の山容から別名「薩摩富士」と称される開聞岳を有し、火山灰、砂れき層が厚くて水はけが良く、乾燥しやすい火山性の土壌が、芋の生育に適した良質なさつま芋の最適産地として知られています。また、かつて「前田利右衛門」という漁師によって、琉球から初めて「唐芋」が伝えられた芋伝来の地としても有名です。

この唐芋発祥の地に蔵を構える田村合名会社の創業は明治30年。約2千石強の造りなれど百有余年の歴史と伝統を誇り、昔ながらの手作り焼酎．．． もっと見る

薩摩半島の最南端に位置する鹿児島県揖宿郡山川町は、日本百名山の一つでもある火山、その見事な円錐形の山容から別名「薩摩富士」と称される開聞岳を有し、火山灰、砂れき層が厚くて水はけが良く、乾燥しやすい火山性の土壌が、芋の生育に適した良質なさつま芋の最適産地として知られています。また、かつて「前田利右衛門」という漁師によって、琉球から初めて「唐芋」が伝えられた芋伝来の地としても有名です。 この唐芋発祥の地に蔵を構える田村合名会社の創業は明治30年。約2千石強の造りなれど百有余年の歴史と伝統を誇り、昔ながらの手作り焼酎にこだわりながら、定番酒から限定品に至るまで芋焼酎ファンを魅了にする独特の味わいを醸し出しています。 同社最大の特徴としてこだわり続ける仕込みには、定番酒である代表銘柄「薩摩乃薫」を含め、全製品が信頼関係を結んだ契約農家が栽培する地元産の黄金千貫を原料芋に使い、一次仕込みを代々受け継がれてきた創業当時からの甕壷で仕込みます。 また、一次仕込みだけでも手間のかかる甕壷仕込みに加え、取り扱いが難しく手間の掛かる黒麹仕込みにもいち早くから取り組み、薩摩藩伝統の製法を復活させることで、蔵の個性をより明確に、妥協を許さない品質本位に努め、大手メーカーにはできない手造り焼酎の美味しさをお客様にお届けしたいとの思いで焼酎造りに励んでおられます。 その中でも特別な位置づけにある限定品は「かめ壷仕込み」と称され、極少量生産ながら一次・二次仕込み共に徹底して甕壷仕込みにこだわって仕込まれています。甕壷仕込み焼酎の魅力を存分に引きだした見事なまでの円やかさと柔らかさを呈した独特の味わいは、芋焼酎好きの間でファンが多く、入手困難な銘柄の一つに数えられます。 地元産のさつま芋を用いて、一次仕込みを甕壺で行うという二つのこだわり持って、丁寧な手造りに徹して製造している関係上、多くの生産量を望むことはできませんが、時代に流されず、手間を惜しまず、手造り焼酎に取り組むその実直で真面目な姿勢には、少しでも美味しい焼酎を造りたいという蔵元の想いが強く現れています。